ソフトウェアを活用するメリット

2020/6/15

ここ数年、仕事を快適に進めるためにいろんなツールを使うことが劇的に増えたと感じます。スマートフォンが普及し、どこでも仕事ができるため大変便利で私も使わない日はありませんし、おそらく皆さんもそうではないでしょうか?

Elegantwoodの仕事もいろんなツールを活用します。社内でファイルを共有するクラウドのDropboxやGoogle Drive、なにかと話題のZoomでデザイナーと打ち合わせ、仕事のやり取りをおこなうSlack、見積りはExcel、デザインのデータ作成はIllustrator、クラウドCRMで顧客管理など、サブスクリプションの契約で便利なツールも使用しています。

今回のコラムは、デザイナーのリクエストを具現化するために、主にCADCAMと3DCGソフトウェア(3次元コンピューターグラフィックソフトウェア)を使用した流れをご紹介していきます。


CAD/CAMとは

CADとは、Computer Aided Design(コンピュータ支援設計)

CAMとは、Computer Aided Manufacturing (コンピュータ支援製造)

大枠な流れとして

① ai(イラストレーター)やdxfやdwg形式のデザインのデータをCADCAMに読み込み、

② プログラムを製作したデータを元に3Dデータを作成し、

③ 3DCGソフトウェア(3次元コンピューターグラフィックソフトウェア)に読み込みシミュレーションして、実際に柄を彫りこんな状態で確認することができます。

①ai(イラストレーター)やdxfやdwg形式のデザインのデータをCADCAMに読み込み

データに描かれた線描を立体にする作業をおこないます。どのラインを彫り込むのか、また彫り方にはどの刃物を使用するかなど事前に頭に入れて置かなければなりません。過去の経験値を生かして、デザインを拝見し、どう掘り込めば一番最適になるかが仕上がりのポイントになっています。

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②プログラムを製作したデータを元に3Dデータを作成

画像は刃物がどう動くのかをシミュレーション中のものです。データのサイズは製作をおこなう原寸サイズで、四角形や三角形など実際に使用する刃物と同じものでプログラミングしていきます。確認する際は、彫り込みの形状、重複していないか、など細かくチェックしていきます。この動作と同じようにNCルータが作動するので、より細かいチェックが必要です。

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③CADCAMで作られたデータを3DCGソフトウェア(3次元コンピューターグラフィックソフトウェア)に読み込みシミュレーション

光をどの角度から当てれば綺麗に陰影がでるか、実際にシミュレーションして、彫り込みが足りない場合や角度をつけたい場合などは、②の作業の刃物の設定を見直し調整をおこなっていきます。デザインによっては陰影が目立たなかったりすることがあるので、その際は刃物を変えて再度シミュレーションおこないます。

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①から②③へと工程を重ね、画像のビジュアルで確認することができ、確認後にサンプルを製作しております。

①の読み込みのためのai(イラストレーター)やdxfやdwg形式のデザインのデータさえあれば、あとはデザインに応じてどう掘り込めば一番最適かを検討し、提出いたします。下記の画像でわかるように、②でつくったシミュレーションと同じものに仕上がっております。

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ソフトウェアがない時代を振り返ると

おおよそ10年ほど前のこうしたソフトウェアがない時代は、サンプル製作の前にかなり具体的に打ち合わせをしなければならず、サンプルを苦戦しながらつくった経験があります。

当時は、快適なソフトウェアがなく、当然CADCAMも存在しないのでデータの入力などもすべて手作業の行うので時間がかかりました。またメールで写真を送って確認するなどやっていない時代で、実際にサンプルを送らなければ確認ができませんでした。彫り込み方のニュアンスが違うや角度やアールが異なるなど細かい部分にも指摘あり、数回ほど苦戦しながら再製作した記憶もあります。

10年そこそこで仕事の大きな流れが変わっていきました。おそらく今後もCADCAMや3DCGソフトウェア含め、便利なソフトウェアが登場していき、ソフトウェアは大きく変わっていくことだと思います。

これからも時代の流れを感じ、アンテナを張り、デザイナーとメーカーの溝がないように、スムーズな流れをつくることが仕事に対してよりスピーディーで、良い提案につながると思っております。


ー 今回のサンプルについて ー

KNOTは、OKAWASHIP(オオカワシップ)のプロジェクトです。

私たちOKAWASHIP(オオカワシップ)は木工万能産地・大川の若手が連携した木工アライアンスです。家具、建具、組子、木材、加工など、多種多様なスモールファクトリーが集積する大川のリソースを一つにまとめ、木にまつわる様々なご要望にワンストップでお応えします。