ウレタン仕上げ塗装の知識【梨地】
仕上げ塗装は、表面を保護をおこなうだけの目的ではありません。
色をつけることで空間デザインの統一化や雰囲気を作ることができます。
仕上げ塗装にはたくさん種類がありますが、水性塗装で表現できないことがウレタン塗装で可能となります。しかし、ウレタン塗装は「単色塗装のみ」「艶が出る」と思われている方は多く、できることの可能性をご説明するとなるほど納得していただけます。
光沢感や雰囲気
シャンパンゴールドやシルバー、ブロンズといったリクエストの際は、ウレタン系で特殊な塗料を使用しております。メタリックやラメ入りとはまた異なる塗料です。
一般的なウレタン塗装と異なり、光沢感や通常ウレタン仕上げで表現できないツヤなどが可能です。本物の金属のようなツヤ感、雰囲気を感じることができますでしょうか。


梨地(なしじ)
仕上げ読んで字の如く。果物の梨の表面の質感からそう呼ばれております。左下のサンプルは梨地(なしじ)と呼ばれる手法を施しているため、つるっとしたテクスチャーと異なり凸凹した表情に仕上がります。
細かい梨地のエンボスが影をつくり、淡い陰影を作り出します。ほんの少しのエンボスですが、陰影で凹凸を感じることができます。金属の表面仕上で表現されることが多く、この塗装もまさに金属のような表現の際に採用されるケースが多いです。

粒子を調整
さきほどのブロンズより梨地の粒子を小さくした例です。精細な表現で、面として大きな面よりも小さくインパクトがある面での使用が望ましいです。

スクリーンにも塗布可能です
スクリーンも同様、梨地の仕上げが可能です。近距離ではなく離れて見た場合、金属のような光沢感、ツヤ感、雰囲気を感じることができるはずです。



水性塗装との違い
ウレタン塗装の方が、水性塗装よりも表面の肉持ちがあるため表面硬度が高い。ですが、傷や欠けが生じた際は、水性塗装のほうが断然メリットがあります。ウレタンだとパテ処理、同色のタッチアップをおこなう程度で現場では作業が困難になってきます。
コストは、サンディング仕上げ(下地処理)があるため手間が多く、ウレタンがコスト高になります。
水性塗装かウレタン塗装かは、使用する場所、または表現したい色や質感で選べることができますので、ご不明な方はお知らせください。